ザ・プリンスパークタワー東京
仕事でプリンスパークタワー東京に1泊しました。
浜松町から徒歩10~15分程度と交通の便は良好です。
駅から歩いて行くと、増上寺の大きな門が見えてきます。
そこから芝公園を通ってすぐです。
落ち着いた雰囲気の大人なホテルでした。
芝公園に隣接しており、都心とは思えない静かな環境の中にあります。
お部屋も広くて綺麗でしたが、印象的だったのは、33階の朝食会場。目の前に東京タワー、ビル群が見え、開放感満点です。
夜景を観ながらのディナーは素敵なこと間違いなしです。
土日でしたので、結婚式も何組が挙げられていました。
(朝食会場からの眺め)
翌日、さわやかな秋晴れと鳥のさえずりの中、芝公園では数組の親子が遊んでおり、チェックアウト後の帰途もすがすがしい旅でした。
胃がん健診:胃カメラかバリウムか? ~医師は胃透視を受けない
- 胃がん検診には胃カメラか、胃透視(バリウム検査)か
医師は胃透視(バリウム検査)を受けません。
少なくとも私の周りで「胃透視を受けた」という医師は見たことも聞いたこともありません。
胃がんがあるかどうかは、胃カメラで調べるからです。
胃透視では、早期胃がんはわからない(見逃す)ことがあります。
また、胃透視で異常があった際は精密検査を受けるように紹介状を渡され、結局その後胃カメラを受けることになります。
なので、胃がん検診のために胃透視を受ける医師はいないようです(もしいたらすみません)。
医療機関へのアクセスがいい、胃カメラへの抵抗感が少ないなど医師独自の要因もあるかもしれません。
また、これまでの胃がん検診ガイドラインでは、胃カメラによる検診は根拠がないとして推奨されていませんでしたが、最近韓国から、“胃カメラ検診による胃がん死亡率減少”(文献:Gastroenterology 2017; 152: 1319-1328)の報告があり、胃透視(バリウム)に加え、胃カメラも推奨されることになりました。
自治体によっては、一般住民を対象とした胃がん検診を胃カメラで行っているところも既にあり、今後は胃がん検診として胃カメラが主流になっていくのではないかと考えています。
- どうやって、どこで胃カメラを受けるか
検診に保険は使えませんが、症状があれば保険診療で胃カメラを受けられます。
診察の場面で、「症状は何もないですが、胃がんがあるか調べたいので胃カメラを受けたい」と言われると、医師のほうでも、堂々と保険診療では検査はしにくいのですが、
「最近少し胃もたれがするので、胃カメラを受けたい」と言えば、検査を受けられると思います。
症状は何でもいいのです。胃もたれ、胸焼け、食欲がない、など。
また、検査を受ける場所として、総合病院がいいか、クリニック(開業医)がいいかは、単純には言えませんが、
総合病院のいいところとしては、
・複数の医師の目があるので見落としは少ない
・もし異常があった場合、継続して同じ病院で治療まで受けられる可能性が高い
・もし検査に伴う合併症が起きても対処が可能
などがあり、デメリットとしては、
・待ち時間が長い可能性がある
・まだ熟練していない研修医や若手医師による検査になる可能性がある
・経鼻(鼻から)内視鏡はしていないところがある
といったところでしょうか。
クリニックで受ける場合のメリットとして、
・一般に熟練した医師による検査が受けられる
・土日も検査が受けられるクリニックも多い
・経鼻内視鏡も実施しているところが多い
などが挙げられます。
異常があった場合や合併症が起きた場合は総合病院へ紹介になる可能性がありますが、個人的にはまずはクリニックでの検査をお勧めします。
- ピロリ菌について
日本人の胃がんの原因の99%以上は、ピロリ菌(Helicobacter pylori)の感染が原因です。
(文献:Helicobacter 2011; 16: 415-419.)
つまり、特殊な場合を除いて、ピロリ菌がいない人には、胃がんはほとんどできません。
ピロリ菌に感染しているかどうか(慢性胃炎があるかどうか)は、胃カメラで胃粘膜をみるとおおまかにわかります。
私自身は、以前に胃カメラを受けてピロリ菌がいないことを確認しているので、もう10年以上は胃カメラを受けていません。ほとんど胃がんにかかることはないとわかっているからです。
逆に、ピロリ菌の感染による長年の慢性胃炎の結果、胃粘膜が「萎縮」してしまっている場合、将来的な胃がんのリスクが出てきます。
胃粘膜の萎縮がある方は、定期的な胃カメラをお勧めします。
何年毎に受ければいいのか、はっきりとした推奨はありませんが、萎縮が高度な方では1年に1回受ければ安心ではないかと思います。
参考資料
・Gastroenterology 2017; 152: 1319-1328
・Helicobacter 2011; 16: 415-419.
・日経Gooday 30+ 「胃の一生はピロリ菌に感染しているかどうかで決まる 胃がん・胃潰瘍、除菌でほぼ防げる時代に」(https://style.nikkei.com/article/DGXMZO83942860U5A300C1000000)
こんなときはこの漢方薬:頭痛
体調がすぐれないけど、病院で検査しても異常は出ない・・・。
現代医療は、はっきり名前のつく病気(たとえば、がん、心筋梗塞、脳梗塞、各種の感染症など)に対する治療法の進歩は著しいですが、検査で異常がない場合の対処にはあまり強くありません。
そんな時、漢方薬がとてもよく効くことがあります。
特に、「こんなときにはこの漢方!」という組み合わせがいくつかありますので、紹介していきたいと思います。
(※症状の元に重大な病気があることもありますので、症状が続くときや悪くなっていくときは無理せず医療機関を受診することをお勧めします)
1回目は、困っておられる方も多い「頭痛」です。
・「雨降り前の頭痛」→五苓散(ごれいさん)
お天気頭痛といったりもしますが、天気が悪い(低気圧)と頭が痛くなる方がいます。
とくに、舌の周囲に歯の痕がついてギザギザになっている場合(「水毒」という状態)、よく効きます。
ちなみに、この五苓散は二日酔いの症状にも使われます。
・「肩こりからの頭痛」→葛根湯(かっこんとう)
葛根湯が効くのは風邪のときだけではありません。
肩こりがあり、首や後頭部がこわばっているときの頭痛には、葛根湯がよく効きます。
お湯に溶かして、または温めてお飲みください。
・「吐き気がする頭痛」→呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
頭痛がひどくで吐き気がする方、片頭痛の方に効きます。
慢性的な頭痛に悩んでいる方、漢方薬は試してみる価値があります
糖尿病はがん(癌)のリスクを高める
糖尿病の合併症といえば、3大合併症が有名です。
網膜症、腎症、末梢神経障害の3つですが、これらは、微小な血管がダメージを受けることが原因です。進行すると、それぞれ、失明、腎不全→透析、しびれや足の壊死などにつながってしまうことがあります。
また、大きな血管もダメージを受けますので、動脈硬化から、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも高まります。
しかし、糖尿病でがんも増えることは、意外と知らない方もいらっしゃいます。
糖尿病の患者さんで注意しないといけない代表が、肝臓がん、大腸がん、膵臓がんです。
肝臓がん、膵臓がんはそれぞれ2倍程度、大腸がんは1.5倍程度リスクが高まると言われています。
なぜ、糖尿病でがんが増えるのか、はっきりとはわかっていませんが、
高血糖、高インスリン血症、慢性炎症が影響していると推測されています。
がんを起こさないため大事なのが、食生活、適正体重、節酒、運動、禁煙などです。
当たり前のことじゃないかと思われるかもしれませんが、これらは自分でコントロールができる重要な要素です。
また、糖尿病をすでに治療されている方は、必ず通院を継続ください。
症状がないからといって、自己判断で治療、通院をやめてしまい、手遅れになってから病院を訪れる方がしばしばいます。
通院されている方は、定期的に腹部エコーなどの検査があると思います。
主治医が忘れている場合もありますので、1年以上腹部エコーをしていない場合などは自分から主治医に提案してみてください。
肝臓がん、大腸がんは早期に見つければ、負担の少ない治療で完治できることが少なくありません。
糖尿病治療中の方、また治療はしていないけど検診で糖尿病や糖尿病予備軍と言われたことのある方は、ぜひ定期的な腹部エコー、大腸カメラを受けることをお勧めします。
参考資料:
Diabetes and Cancer A consensus report (Diabetes Care 2010; 33: 1674-1685.)
Diabetes and cancer--an AACE/ACE consensus statement. (Endocr Pract 2013; 19: 675-93.)
コーヒーを飲む人は死亡率が低い
コーヒーは健康によいか?
医学的にはほぼ結論が出ており、「Yes」です。
米国において約40万人のコーヒー摂取量とその後の死亡率を調べた研究
結果は、「コーヒーを飲む人は死亡率が低い」でした。
また、1日1杯よりも2~3杯、2~3杯よりも4~5杯飲む人の方が死亡率は低かったのです。
Association of Coffee Drinking with Total and Cause-Specific Mortality
(コーヒー摂取と全てのまたは特定の死因別死亡率の関連)
(N Engl J Med 2012; 366: 1891-1904)
(↑N Engl J MedはNew England Journal of Medicineで、世界で最も格が高い臨床系医学雑誌の一つです。この雑誌に掲載される=信頼性がかなり高い研究結果といえます。)
その後、日本人約9万人で行われた同様の研究においても、「コーヒーを飲む人ほど死亡率が低い」という結果でした。
特に、1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、死亡リスクが24%も低かったのです。
Association of coffee intake with total and cause-specific mortality in a Japanese population: the Japan Public Health Center-based Prospective Study.
(Am J Clin Nutr. 2015; 101: 1029-37)
※ちなみに、喫煙はそれのみで、死亡率をものすごく上昇させます。
喫煙している人は、健康のためにはまず禁煙です(>_<)
これらの研究においても、喫煙など死亡率に大きな影響を与える因子は統計的に調整をされています。
死因別にみると、残念ながらどちらの研究においても、がんによる死亡リスクはコーヒーの有無で変わりませんでした。
しかし、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患、感染症などの死亡リスクは、コーヒー摂取群で低い結果となりました。
また、カフェインレスコーヒーでも同様に、死亡リスクが低いという結果のようです。
よって、コーヒー摂取群で死亡率が高いのは、カフェインの影響ではないようです。
コーヒーは1000種類以上の化合物を含んでいるとされますが、その中のひとつが抗酸化物質。
ポリフェノールが含まれる飲み物といえば、赤ワイン、緑茶が有名ですが、コーヒーにも含まれます。
抗酸化物質は、動脈硬化やがんに対して予防的に働くとされるので、このポリフェノールがコーヒー摂取群で死亡率が低くなる一因と考えられます。
最後に、心臓や血管の病気など、カフェイン過剰摂取に注意が必要な方もいますので、それらの持病をお持ちの方は主治医にご相談ください。
お勧めのコーヒー店の紹介です
豆香洞コーヒー:福岡が誇る、焙煎世界一の焙煎士によるコーヒー店
注文していた豆香洞コーヒーが届きました♪
袋を通して、挽きたてのコーヒー豆の豊かな香りが広がります。
(200gから注文できます)
豆香洞コーヒーは、2013年の焙煎世界一を獲得した焙煎士、後藤直紀さんが
店主のお店です。福岡市中心部のショッピングビル:リバレイン博多と、
福岡市南部の大野城市白木原にある本店の2店舗。
ネットでも注文ができ、全国へ配送していただけます。
店舗では、挽きたての豆から、目の前で抽出されたコーヒーがいただけます。
お値段も300-400円程度。おいしい入れ方なども教えていただけます。
ただ、土日の白木原本店は人気ですごく混みあいますので着席できないことも。
以前は、コーヒーは眠気を覚ますためのもので、味のこだわりなどありませんでした。
しかし、豆香洞のコーヒーをいただいてからは、
コーヒーは「日常を豊かにしてくれるもの」になりました。
いわゆるハピネスブースターです。
休憩時、食後、おやつの時間など、ほっと一息つきたいとき、気分を変えたいときなど、家でも職場でも、できるだけ自分でコーヒーを入れます。
いまはコンビニでもなかなかおいしいコーヒーがいただけますが、
時間があるときは、香りを楽しみながら自分でコーヒーを入れるのもなかなかよいです。
次回は、コーヒーの健康効果について、医学的な知見をご紹介したいと思います。
「ストレス臭」 加齢臭に続き、資生堂が発見!
インフルエンザ 流行前にワクチン接種を
毎年12月頃から流行が始まり、1~2月にかけてピークとなります。
今年もまだ流行は始まっていませんが、医療機関でのワクチン接種が始まりました。
ワクチンを接種してから免疫がつくまで2週間ほど時間がかかります。
流行前に接種しておくことをお勧めします。
特に、感染すると重症化することがある、高齢者、小児、妊婦さんなどはかかりつけの医師にご相談の上、接種を検討ください。
ちなみに、インフルエンザは接触感染(ウイルスが付いた手で鼻や口を触って感染)、飛沫感染(くしゃみ、咳などで飛ぶ飛沫を吸い込んで感染)なので、手洗い、マスクが予防になります。
トピックス☆
ゾフルーザ®(Baloxavir)という新しい治療薬が今年登場しました。
タミフル(1日2回を5日間内服)、イナビル(1回吸入)などの既存の治療薬と効果は同等ですが、価格は高く、耐性ウイルスの問題も指摘されているので、使用は慎重に考えた方がよさそうです。
Baloxavir Marboxil for Uncomplicated Influenza in Adults and Adolescents
(N Engl J Med 2018; 379:913-923)
風疹が流行中! 妊婦さんは注意!
2018/10/25
いま、日本で風疹が流行しています。
関東、愛知などの地域で特に流行っています。
風疹は、通常は発熱、発疹、リンパ節腫脹などをおこし、数日間で自然に治る怖くない感染症です。
しかし、妊婦さんがかかると「先天性風疹症候群」をおこし、赤ちゃんに障害が残る場合があります。
障害とは、心臓病、難聴、白内障、精神運動発達遅滞などです。
2013年の前回の流行では、全国で45人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが確認されています。
特に妊娠初期の妊婦さんは注意が必要です。
平成2年4月2日以降に生まれた人は、2回のワクチン接種を受けて、感染予防に必要な抗体を持っている可能性が高いですが、ワクチンを0~1回しか受けていない人は十分な免疫がない可能性があります。
風疹ワクチンは生ワクチンなので、すでに妊娠している方は接種できません。
妊婦さん(特に妊娠初期)は流行地域に行くことを避ける、これから妊娠を考えている女性は、自分が免疫を持っているか(血液検査で抗体価を調べます)把握し、持っていない場合は妊娠前のワクチン接種を考慮する必要があります。
それから、周囲に妊婦がいる、またはこれから妊娠予定の女性がいる男性も、自分が感染して、妊婦さんにうつさないよう注意が必要です。
「風疹患者、17年の13倍超 米は妊婦の渡航自粛勧告」日本経済新聞 2018/10/23
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3681961023102018000000/)
「風疹について」厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/)