風疹の抗体検査、ワクチン無料化 39~56歳男性対象
「厚生労働省は11日、風疹の新たな対策として、子供のころに予防接種の機会がなかったために特に感染リスクが高いとされる39~56歳男性を対象に2019年から約3年間、免疫の有無を調べる抗体検査とワクチン接種を原則無料にすると発表した。」
この年代の男性は、ワクチン未接種者が多く、風疹感染者の多くを占めています。
一般に風疹の症状としては、発熱、咽頭痛、発疹、リンパ節腫脹などで、数日間で自然に治る怖くない感染症です(稀に心筋炎、脳炎などの合併症を起こすこともあります)。
30~50歳前後の健康な男性がかかっても、命にかかわることはほぼありません。
では、風疹の何が問題なのか?
「先天性風疹症候群」です。
妊娠20週までの初期の妊婦さんが風疹に感染すると、赤ちゃんに障害が出る場合があるのです。
障害とは、心臓病、難聴、白内障、精神運動発達遅滞など。
風疹にかかった妊婦さんから生まれる赤ちゃんが、みんな先天性風疹症候群になるわけではありませんが、2012~2013年に日本で起きた前回の流行では、全国で45人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが確認されています。
このときの風疹の報告数は、
2012年:2386人
2013年:14344人でした。
2018年は、第1~48週の風疹累積報告数:2,454人です。
このまま流行が続いたり拡大したりすると、また多くの先天性風疹症候群が起こる可能性があります。
特に、30~50歳前後の免疫を持っていない男性が風疹にかかり、さらに周りの妊婦さんに感染させてしまうことが問題なのです。妊婦さんと、将来生まれてくる赤ちゃんを守るために、男性はぜひワクチンを接種してほしいと思います。
(参考:風疹の皮疹)
過去の記事